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しかしもう付き合って三ヶ月。翔一はどうしても三咲とキスがしたかった。
翔一の部屋で映画を見ていた時、翔一は意を決して三咲にキスをした。多少無理矢理だったが、翔一は三咲が嫌がるとは思っていなかった。
だが翔一が三咲にキスをした瞬間、三咲は翔一を強く押し退けた。
「やめろ!」
ついでに頬も撃たれた翔一は、みるみるうちに怒りで顔が真っ赤になっていった。
「………んだよ、やっぱりお前俺のこと好きなんかじゃないんだろ! なんでそんなに嫌がるんだよ!」
ぶるぶる震えながら怒る翔一の目にはそのうち涙が溜まり始めた。
「お、俺はお前のことが好きだからキスしたいのに、そんなに嫌がるなんて…、もう、もう別れる! 今回はマジだかんな! 三咲とはもう終わりだっ!」
そう叫ぶと、翔一は部屋から三咲を追い出してしまった。
しばらく三咲は、扉の外から何か言っていたけれど翔一が「帰れよ!」しか言わずにいると、そのうち帰ってしまった。
「帰っちゃうなんて、やっぱり俺のことなんかどうでもよかったんだ。本当に好きならきっと俺が出てくるまで待ってるんだ」
翔一は大泣きした。もう一生三咲とは口を聞いてやるもんか、明日学校で謝ってきたって許してやるもんか。翔一は布団にくるまりながら決心した。
しかしそのうちお腹が空いて部屋から出て夕食を食べると、やっぱり翔一は三咲のことが好きだなと思った。
だけど、今回ばかりは俺は悪くないから三咲が謝ってきたら許してやろう、そうすることにした。
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