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そんでちょっと気付いたんだけど、これってなんかゆうちゃん達から見たら誤解されそうな構図じゃない?
中田がもうちょっと近付けばキスしちゃいそうっていうか、できちゃうよね。
「中田君……」
「真太郎……」
お互い見つめ合う。
だんだんと近づく二人の距離……
「ぎゃっはっはっ、やべぇ! 禁断の恋!」
「あっはっはっ! 馬鹿なことしてないで酒でも飲もうよ」
「おー、チューハイでいい?」
もちろんそんな雰囲気一切ない俺と中田はキスするわけもなく。
お互いの真剣そうな顔がおかしくて笑ってしまう。
中田は缶チューハイを二つ持ってきた。
「まぁまぁ真太郎さんよ。そんなに気にしなさんな。いつものことじゃないか」
「でもねぇ中田さんよ。今度は不細工なアバズレじゃなくて、見るも眩しい美少年ですよ。ぶっちゃけ勝ち目ないすよ」
だって弥生少年、肌とぅるんとぅるんだし目も切れ長で素敵だし鼻もシュッとしてるし……俺勝てない。
「そーんなことはぁ、ない。真太郎だってカッコいいって! 美少年とは畑が違うんだよ」
「まぁ、中田さん。優しいのね貴方……惚れてしまいそう……」
「だろう? ここらで俺のこともう一度考えてみないか、真太郎君」
そんでまた見つめ合って爆笑して、チューハイ飲めばなんか元気出てきた。
そうだよな! 気にしてたってしょうがないよな!
「よし、中田! 俺美少年になんか負けないぞ!」
「よっ! いけいけ真太郎!」
立ち上がってチューハイを手にそう宣言すれば俄然やる気出てきた。
中田君、君のおかげだ。心の友よ!
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