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 女みたいな顔した美少年が新しいライバルだなんて……!

「くっそぉ……! ずるいぞお前!」
「は、何言ってるの?」
「ずるいずるい! 俺だって美少年に生まれたかったやい!」
「は、はぁ……」

 俺だって美少年には決して劣ってるとは思わないけど……だけど、やっぱり美少年のほうがちょっぴり鼻が高いし綺麗なお肌してるし……
 ずるいやい、俺だって美しくなりたいやい……

「ねぇ何勝手にいじけてんの?」
「うるせぇ、女男にはわかんねーよ」

 と、俺がそう言った瞬間。美少年の表情が変わった。

「今なんつった?」
「え?」
「今なんつったんだよ?」

 そしてピンときた!
 こいつ女顔気にしてんだ!
 へっへっへ、普段だったら人のコンプレックスを弄くるような事は決してしない紳士的な真太郎君だが、今回の相手はゆうちゃんとイチャイチャしてた憎き男だ。
 コンプレックス刺激しちゃる!

「女男! オカマ! ニューハーフ!」
「言ったなぁ!」

 美少年が顔を真っ赤にして怒りだした。へっへーんだ。

「……弥生やめろよ」

 しかしそこでゆうちゃんがやってきてそう言った。美少年、弥生って言うんだ。
 ゆうちゃん、美少年の肩に手を置いてる。

「真太郎、謝れよ」

 え。

「お前がいきなり喧嘩売った」
「で、でもゆうちゃん」
「人傷付けること言ったらだめだろ」

 あなたがそれを言いますかそうですか……
 でもゆうちゃんに嫌われたくないし、ああでも美少年にも謝りたくはないし…
 口ごもっているとゆうちゃんの眼光がどんどん鋭くなっていく。
 こ、怖い。これは謝っておこう。

「ご、ごめん」

 ゆうちゃんの隣にいる美少年をちらりと見る。

「弥生」
「……ゆうがそう言うなら、まぁいいけどさー」

 ほ、と俺は息をついた。
 ゆうちゃんが面倒臭そうにため息をついて「じゃ、終わり」と言った。
 そしてゆうちゃんが席に戻ろうと後ろを向いた瞬間、俺は見た。
 美少年の口がこう言ったのを……


 ブ、ス


「この女男めぇぇぇ! 許さん!」

 俺は再びやつに襲いかかって、ゆうちゃんに怒られた。悲しい。



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