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 夜が明けた早朝。俺はユコフと別れ森を出る。家族が起きる前に戻らなきゃ。
 急いで飛んで家へ向かう。
 我が家がようやく見えてくると、家の前で誰かが倒れていた。近づいて、よく見てみるとなんとチェルだった。まだのびてたのか!

「チェル、チェル、起きろよ」
「う……あぁ、そんないけないよムーシャ………僕たち幼なじみだろ……」
「なぁにねぼけてんだよ!」

 寝言を言うチェルの背中をしっぽでビタンと叩いてやった。

「うわ、いったぁ! ……あ、あれ?」
「起きた? もう朝だぜー」
「え、あ…」

 チェルはあたりをキョロキョロ見回して、いつの間にか時間が経っていることに気付いたようだ。

「む、ムーシャ森には行かなかったの?」
「は?」
「ぼ、僕が起きるまで待っててくれたんだね!」

 なーに言ってんだこいつ、とは言わないで、少し考えニッコリと笑っておいた。
 チェルはおめでたいやつなのか、俺が気絶したチェルを心配して看病してたとでも思ってるんだろう。馬鹿だなぁ、したとしてもなんでいつまでも外に放置するやつがいるかよ。
 まぁ、でもとりあえず森に行ったことがばれなきゃまたすぐ行けるじゃん!

「ムーシャ、僕の気持ちを分かってくれたんだね! 嬉しいよ!」
「それは良かった、良かった。さぁ俺は家に帰るからチェルも帰れよ」

 抱きつくチェルの背中をポンポン叩き帰宅を促す。さぁ、俺は早く帰りたいんだ。

「うん、じゃあねムーシャ!」
「ばーい」

 ようやく飛び立ったチェルを見上げ俺は手を振ると家へ入った。なんて簡単なやつ。


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