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でもそんな弱っちい俺でも守りたいもんなんかがあったりして。
「イシュア…嫌だよ! …イシュアがいなくなったら僕どうすりゃいいんだよっ…」
「だから死なねぇって。俺不死身だから」
あれ、お宅ご存知ありませんでしたの?ミヒさん家のご長男のイシュア君、不死身なんですのよ。おほほほほ!
「馬鹿!」
痛い。サデスが殴ってどっかへ行ってしまった。
怒ってしまったみたいだ。まぁそりゃそうだな。
…ん?たんこぶできていないか?
嘘だろっ! この美しい俺の頭にぃ! よくもやってくれたなサデス!
「………あー痛ぇ…」
頭がずきずきする。
ちくしょう、俺は死なないぞ。
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「サデスっくん、あっそびましょ!」
「………」
「あれー? 聞こえなかったのかなー? サデスくんー?」
「………」
「えっやだ! シカトぉ!? 感じ悪ーい! なんでぇー? ひどぉーい! こういうのってすごい傷つくんですけどぉ!」
クルクルとサデスの周りを回りながらサデスに言ってみるが反応はない。
「サデス…もしかして…」
「………っ」
「生理なの?」
「馬鹿!」
また、殴られたぞ。
なんだバイオレンスか。お前そんなやつだったのか。
今時あれだぞ、DVしてると慰謝料とか請求されちゃうんだぞ。するぞ、俺は。
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