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「お、俺はただ、サプライズで…たっちゃんと一緒に学校行きたくて…」
「あ…」
俯きがら言うと、たっちゃんの茶色いローファーが目に入った。 じり、ローファーが一歩こっちへ進んでくる。
「……ごめん」
顔をあげるとたっちゃん、気まずそうな顔してる。
「俺、ただ町田が心配で…」
「たっちゃん……」
そして見つめあうたっちゃんと俺…
「桐山君?」
と、たっちゃんの後ろから女の子がやってくる。
「あ、田嶋」
「私先行ってるね。町田君だよね、良くなって良かったね」
ヒラヒラと手を振って去っていく女の子。
「誰?」
「委員会の子。プリント渡しに来てくれた」
「なんで俺のこと知ってるの?」
「お前は有名だから」
そうなの!? 知らなかった。俺有名だったんだ! やっぱりあれかな、一途で健気な美少年って有名なのかな?
「……まぁいい。学校行くんだろ?」
「あ、うん」
「大丈夫なのか?」
「うん、松葉杖っていってもただの杖代わりだし」
歩くの遅いだけで、別に歩くことに問題はないんだな、これが。実は。
「じゃあさっさと行こうぜ。ったく、今度からちゃんと事前に言えよな」
「へへへ、分かったー」
何気なく次も一緒に行くことを許可しているとお気づきでしょうか、たっちゃん。
嬉しいねー、嬉しいねー。
「あ、そうだ忘れてた!」
「今度はなんだよ」
一番大事なことを忘れていたぜ! これがないと調子が始まらないんだな。
「あのね…」
「うん?」
そうっと、たっちゃんの耳に口を寄せて…
「たっちゃん愛してる!」
終わり
リクエスト有難うございました!
本編はひとまずこれで終了ということで!
愉しかったです〜
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