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ハンプティダンプティ。

パンプティダンプティ 壁に座ってたら
パンプティダンプティ 勢いよく落っこちた

王様の家来や馬でも
ハンプティは元に戻せない

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「まいったな」

 次の戦闘最前線かよ。

 イシュアは掲示板に貼られた紙を見て不愉快そうに頭をくしゃくしゃと掻いた。
 隣にいた友人サデスはイシュアの言葉にまさか、という顔をした。

「イシュア、まいったってまさか…」
「あぁ。やっぱりあの長官クソだな」

 ちくしょう、ちょっと歯向かっただけでこれかよ、とイシュアは悪態づく。
 ちょっと頭の薄毛をからかっただけなのに、ちょっと皆の前でひざかっくんして転ばせただけなのに、この仕打ちか。
 大体あいつが悪いんだ。サデスの体があまり強くないのを知っておきながら、辛い訓練を無理矢理サデスにさせるから。それを見てニヤニヤ喜んでやがったんだ。だからサデスの代わりに仕返ししてやった

「イシュア、そんな…!」
「馬鹿、そんな顔すんなよ! なぁに、俺は不死身の男だからな。平気だよ。弾何発受けたって立ってられるぜ!」
「馬鹿、そんなことあるわけないだろ! 馬鹿、馬鹿! イシュアの馬鹿! なんであんなことしたんだよ! …最前線なんて無理だよっ…無事でいられるわけないだろっ……っ…馬鹿! …イシュアなんか一発でやられちゃうんだぞ!」

 サデスの目にじわぁっと涙が浮かんでくる。

「いやいや、俺がカキーンで向こうがウワーンで俺がワッハッハだから! むしろ俺がカキキキーン! で向こうがウワーンママー! で俺がガッハッハッハだから! 俺、最強だから! …サデス泣くなよ、なんか俺弱いやつみたいだろ」
「…弱いだろっ! 僕より剣技下手なくせに馬鹿いうなよ!」

 そうだ。俺はサデスよりも弱い。弱すぎる。最初の戦いで勇者に殺されるスライムよりも弱い。
 剣を持てばおろろろろ、右を切るつもりが左を切る。鎧を着れば重さでかたつむりのような鈍速さ。
 なんでお前軍隊入ったんだよ、と言われる始末。
 まぁサデスのためなんだけどね!



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