1

 羽山さん。一昨日の夜に中野のラブホテルに女の子と入って行ったって本当ですか……
 本当ですか……


******


 羽山さんと付き合い初めてもう一年。そりゃあ喧嘩もしたけどなんだかんだでベッドの上でくんずほぐれず。仲良くしてきたじゃあないですか。
 ところがどっこい。俺は今日山田君に聞いたんですよ。

「一昨日さー、バイトの帰りに羽山がホテルに女連れ込んでるの見たんだよ!」

 なんですと……。
 それを聞いてしまっときの俺といえば買ったばかりのスマホを地面に落として、液晶割れちゃったんですよ。どうしてくれるんですか…
 周りが笑ってる中で俺だけ壊れたスマホを握りしめながら半泣きですよ。
 羽山さん。弁償して下さいね。
 思えば羽山さんはプレイボーイで有名でしたね。いつもいる女の子が違うし、なんだかんだいってフェミニスト。そりゃあ女の子はメロンメロンですね。
 一年前まで俺、それ見て羽山さんのちんこ乾く暇ねぇなと思っていたのに今じゃあ俺があなたにメロンメロンですよ。目からラブビーム。
 でも羽山さん、女の子と浮気なんてあんまりじゃあないですか。悲しくって目がダム崩壊。このままじゃあ枯れちゃいますよ。羽山さんが雨を降らしてくれないと。


*****


 ピンポンとチャイムが鳴ったのでスコープ覗くと羽山さん。でもあなた合鍵持ってるでしょ?

「あはは〜…、入れて」

 ムスッて顔して出ると羽山さんはなんだか苦笑いしてる。
 そりゃあお喋りの山田君のおかげで羽山さんの中野事件は瞬く間に大学中に広まりましたから、あなたのお耳に入ったんでしょうけど。気まずいからって合鍵使わないの? それもムカつく。


[*prev] [next#]
[back]
[しおりを挟む]



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -