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 フォルトの授業を私は共に聞いていたが、つまらない教師の講義に私は教室の外へ出た。
 中庭に出ると調度良い木陰がある。私は獣型に戻ると木の下に横になった。
 そよそよと風が流れ気持ちが良い。

「お! お前アミラスじゃないか!」

 うとうととしかけたところで、頭上から声をかけられた。
 のそりと顔を上に上げると懐かしい顔がいた。

「バンヤンではないか!」
「おお。懐かしいな。お前、ここで何をしているんだ?」

 私がフォートといた時に知り合った魔獣だった。バンヤンはフォートの知り合いと契約をしていたのだった。
 するりとバンヤンは木から飛び降り、私の目の前に立つ。色鮮やかな羽を持つ鳥型のバンヤンはとても美しい。

「実はある少年と契約したんだ」
「へぇ、お前が? 珍しいこともあるもんだ」
「それは、まぁ色々あってだな……」

 過去の私の恋心を知っているバンヤンには、フォートとそっくりだから契約したとは言い難い。言ったらさぞ笑われるに違いない。

「バンヤンは? なぜ此処にいるのだ」
「俺はここの教師とこの前契約したんだよ。だからしばらくは此処にいるんだ」
「なんと! ではまた昔のように話そうではないか」

 旧友との出会いに会話は弾む。 気付くと授業の終わりを知らせる鐘がリンゴンと鳴った。

「おや、もう時間か。教室に行かなければ」
「お、アミラスの新しい契約者か。俺も行くぜ。どんな子か興味ある」

 フォルトを見ればバンヤンは私を初恋を忘れられない奴とからかうだろう。が、契約者同士が同じ所にいるから嫌でもすぐにばれるだろう。
 それならば今ばれてしまえ、と私はバンヤンを引き連れてフォルトの元へ向かった。


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