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 はしゃぐ私に少年は戸惑っている。

「アミラス様、あの」
「このちっちゃな鼻に桜色の唇! フォートだ!」
「あの、だから」
「私もまだうぶだったから結局何も言えなかったんだよなぁ。あぁ、切ない」

 そうだ、フォートは初めて契約した少年でとても愛らしかった。まだ私も若く、フォートに恋したがついに言い出せなかった。しばらくしてある事が起き、フォートとは契約を切ってしまったのだが、元気だろうか?
 今思い出しても胸がキュンと切なくなる淡い初恋だ。

「アミラス様!」
「う、ん? あぁ、少年すまない忘れていたよ」
「は、はい。それで、あの、僕と契約結んでくれますか?」

 少年はもじもじとしながら言う。
 そんな姿までフォートにそっくりだ。なんと愛らしい。

「もちろんだ少年! 私アミラスは君……えっと」
「フォルトです。フォルト=キッシュ」
「フォルト=キッシュ! 此処にて契約を結ぼう」

 フォルトが手を私に差し出す。私は近づいて口づけを落とした。
 淡い光が私達を包んだ。

「さぁ、フォルト。これで私は君のものだ」
「う、嬉しいです……まさかかの有名なアミラス様と契約できるなんて……」
「まぁ私は美しいからな」

 フォルトは感極まった様子でぶるぶる震えている。
 フォートにそっくりのこの少年、果たしてどんな子なのだろうか。

「これからよろしく頼むよ、フォルト」
「はっはい!」



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