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休日、夜中喉が渇いた俺はコンビニに向かっていた。
コンビニに入ると、深夜のため眠そうな目をした店員がだるそうに、いらっしゃいませと言う。
俺はビールでも飲もうかな、と売り物を眺める。
「あら、あなた…」
「はい?」
後ろから声をかけられて俺は振り返った。
「え、エリザベス!」
「奇遇ね」
エリザベスもオフなのか何時ものコスチュームは着ておらず、ラフな普通の格好をしていた。
「う、うん…」
俺は頷き、下を向く。エリザベスの顔を見ると、この前の戦いの時を思い出してしまいなんだか恥ずかしいのだ。
「あら、どうしたの。顔が真っ赤よ」
「え、あ…別に…何でも」
クスリと笑われて、俺は誤魔化そうとさらに下を向こうとした。が、エリザベスの手がくいと俺の顎を上に上げた。
「何でもないの?」
「あ……」
そう言って笑うエリザベスはとてもいやらしい。
オフのエリザベスはメイクをしていない。だけど綺麗で、そしていつもより男らしい。
そんなエリザベスに俺は戸惑ってしまう。
「ねぇレッド、なんだか顔が熱いわ。熱があるんじゃない?」
「わ、かんない…」
「そうよ、きっとあるわ。私の家、すぐそこなのよ。休んでいかない?」
つつ、とエリザベスの指先が俺の首を撫でる。
なぜか俺はこくりと頷いてしまったのである。
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