5
「そんなに素晴らしかったならもう一回どうだ?」
「あっ…あぁ…する」
ユコフはムーシャに覆いかぶさる。ムーシャもユコフの背に手をまわし抱きしめる。
「ユコフ…ん…あぁ…」
「…お前は可愛いな」
そうして夜はふけていった。
********
翌朝。
「なぁユコフ…また会える?」
「もちろんだ。明日の夜またここで会おう」
「そ、そうか! じゃあまた明日!」
「あぁまたな」
ムーシャは嬉しいのか顔を綻ばせながら手をぶんぶん振る。
ユコフも可笑しそうに笑いながら軽く手を振った。
ムーシャは森から家にまっすぐ帰る。
「ただいまー」
ムーシャがそういうとどたばたと部屋から家族とチェルが現れた。
「あれ? チェルなんでいるんだ?」
「む、ムーシャ! 僕はあのあと君が家に帰っていないと聞いて、どれだけ心配したか!」
「そうだぞムーシャ! チェルにまで迷惑かけて! 謝りなさい!」
「え、あ…ご、ごめんなさい!」
自分が無断外泊したことにやっと気付いたムーシャ。慌てて頭を下げる。
チェルはずっと寝ないでいたのか、目は充血しているし隈までできている。
「大体お前はいきなり子作りがしたいとか言い出して」
「あ、それはもういいんだ」
「は?」
「父上、俺子作りがあんなに気持ちいいなんて知らなかったよ」
父親は思わず隣にいるチェルを見るが、チェルは首と手を思いきり横に振って否定をしている。自分じゃない、自分じゃない、と。
「む、む、ムーシャそれは一体どういうことなのかな」
「うん? 子作りしてきた!」
チェルが震える声で聞いた。
気持ち良かったよ、と無邪気にムーシャは笑う。
「う、嘘だぁあぁぁぁぁぁあ!!!!!」
「む、ムーシャァァァァア!!!!!」
父親とチェルの絶叫が家中に響き渡った。
このあとムーシャは父親と母親にこってりと絞られた。
チェルはしばらく生気を失ったかのように元気がなかった。相当ショックを受けたようだった。
それでもやっぱりムーシャは…
「ん? ふぇらちお? ・・・ほう。気持ちいいのか! 俺もしてみたい!」
懲りないようだ。
End
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