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「いらっしゃあい〜!」

 声を揃えて俺と沼尻と鬼頭を迎えるのは野太い声をしたオカマバーの皆さんだ。
 みんな肩幅ががっしりしていて背丈もあるし、俺なんかよりずっと強そうだ。
 そしてあの思い出すだけでぞっとするバイブのオカマに似ている気がする。というかみんな同じような感じだ。うっすらある青髭と無駄にいい体格。
 あまりの迫力に頬引くつく俺だが、スタスタと2人が先を歩くので慌てて着いていく。

「いらっしゃいませ。ご指名は?」

 スキンヘッドのボーイがやってきて沼尻に尋ねる。
 確か、沼尻の知り合いの友達が働いてるんだよな。

「えっと、アンジェリーナちゃんで」
「かしこまりました。ではこちらのお席へどうぞ」

 案内された席に座ると、俺は改めて店内を見渡した。
 オカマたちは美しくはないが、店自体は高級感のある綺麗な店だ。結構高そう。

「お待たせしました〜アンジェリーナでぇす」
「マーガリンよぉ」
「マリアンヌでーす。よろしくぅ」

 と、三人のオカマがやってきた。みんな俺より筋肉隆々だ。
 顔は………怖い。
 しかも俺はなぜか2人のオカマに挟まれぎゅうぎゅう詰めになった。

「ご指名ありがとうございまぁす。あなたたちのお名前は?」

 アンジェリーナがそう言って俺たちの顔を見る。

「沼尻でーす。俺、たかしの友達なんだけど、あいつにアンジェリーナさん紹介されてみんなで来たんだ〜」
「鬼頭だ。俺たち大学生なんだ」
「あ、お、小名田です。よろしく…」

 ハキハキと楽しそうに沼尻は挨拶する。たかしとはこのバーを教えてくれた友達のようだ。
 鬼頭のあとに挨拶したが、やっぱり呪われたバイブのせいでオカマから恐怖が拭えず声が小さくなった。



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