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デニス=マハラは物静かな生徒だ。だが、重たそうな茶色の髪の寝癖がついていても様になってしまうくらいかっこよかった。余り多くを語らない彼には沢山の親衛隊員がいて下級生の中ではトップクラスの人気を誇っていた。成績が良い上に家柄も良いため、彼は生徒会にはぴったりだ。素行に問題はないし、ユーシス達はとりあえずデニスを呼び出して面接をすることにした。
午後3時、ユーシスはお茶とお菓子を用意してデニスを迎い入れた。
「わぁ! 君がマハラ君だね。私は生徒会長のユーシス=キリクボート。今日はよろしく」
「僕はソモル=チャンソ。よろしく。会計と書記、だけど今度からは君が書記になるのかな」
「それは今日の面接で決まる。アート=フェリミルだ。よろしく」
三人が自己紹介するとデニスもぼそぼそと喋り出した。
「デニス=マハラ、です。今日は、わざわざ、この場を設けてくださり、ありがとう、ございます」
「よし、では座ってくれ」
途切れ途切れにゆっくり喋るデニスに3人は内心ちょっと驚きつつ、笑顔で答えた。
「美味しい、ですねこ、のお茶」
「ありがとう! 実は私のオリジナルブレンドなんだ」
ユーシスはデニスのこの一言で彼で決めちゃっていいんじゃない? と思った。
だがアートとソモルはデニスを厳しく審査していた。単純なユーシスは簡単に落とせてもアート達はそうはいかない。
「じゃ、始めましょうか」
パン、とソモルが手を叩いた。
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