25
マリスと別れたユーシスは、ふんふんと鼻歌を歌いながらステージへと向かう。もうじき、アイーヌに出演を頼まれたクイズ大会が始まるのだ。
「あ、会長君!」
「アイーヌさん!」
名前を呼ばれたユーシスが振り返るとアイーヌが小走りに寄ってくる。
「もうすぐですね、クイズ大会」
「ふふ〜そうだねぇ。楽しみだなぁ」
「えぇ。あ、でも私クイズとか苦手なんですけど大丈夫ですか?」
「あはー全然大丈夫だよぉ! 問題なーい」
えらく機嫌の良いアイーヌにユーシスは首を傾げながらもそのことは聞かずステージへと歩く。
(うふ……もうすぐでマライシスに恥をかかせることができる)
うふふふふ、と怪しい笑みをこぼすアイーヌだった。
******
ステージの観客席はざわざわと騒がしい。学園で人気のあるユーシスとユーキルが出演する、と聞いた生徒達が押し寄せたのだ。
そして、ニリアやソモル、アートも仲間のイベントを見ようと観客席にいた。
マリスは特別席で下僕に扇子で扇がれながら優雅にステージを眺めていた。
「えー次は、黒魔術研究部部長アイーヌ=ミシホによるクイズ大会です。なお、生徒会長のユーシス=キリクボートと風紀委員長のユーキル=マライシスがゲストととして招かれています」
司会者がユーシスとユーキルの名前を出した途端、観客は皆黄色い悲鳴を挙げはじめる。
ステージは熱気に包まれた。
[*prev] [next#]
[back]
[しおりを挟む]