21
ユーキルside
ど、どうしよう!
俺は酷く焦っている。なんせ憧れのユーたんことユーシス君が今、俺の目の前にいるからだ。
しかも個人的に話しが…なんて、心臓が先程からドキドキして大変だ。
彼に初めて話しかけたときも平静を装いつつ内心はバクバクだった。
あぁ、俺は理性を保つことができるのだろうか…!
ユーシス君ファンクラブ、メンバー第二号として俺は頑張らなければ…!
「あの、私実は創立祭でアイーヌさんのクイズ大会にでるんです。それで、パートナーが必要で、ユーキル先輩にやってほしくて…」
せ、せんぱい!
その呼び方堪らない…!しかも上目遣いときた。なぜか頬は桃色だしこれはお誘いか?と勘違いをしそうになる。
だがミシホのクイズ大会出場となると話しは別だ。奴は絶対何かをたくらんでいるはずだ。出たくない。断ろう。
「…会長君、せっかくだが」
「あの! お礼もします! その、ユーキル先輩のお願いを一つだけ、何でも…」
「えっえっ…それって、えっうっあ!」
ユーたんの意味深な物言いに思わず俺は吃ってしまう。
これって……そういうことだよな? だよな?
「よし、分かった。パートナーをやろうじゃないか」
「わぁ! 本当ですか? ありがとうございます!」
お願い、と聞いて快諾してしまった。
畜生、可愛い。笑った顔がめちゃくちゃ可愛い。
ユーたんは別に女顔じゃないのに、可愛いくて可愛いくて堪らない。あぁ、もう…!
ミシホなんかもう知るか!どうにでもなれ!
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