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「う〜ん! 疲れたぁ」
「チャンソ、キリクボート、今日はこれくらいにしておこうか」
「そうですね! …あ、よかったらお茶飲みませんか? 実は私、とっても美味しいお菓子を手に入れたんです」
大きく伸びをするソモルに、アートは終わりを告げた。
そしてユーシスの言葉にわぁ賛成〜、それはいいな、とソモルとアートは頷く。
三人はここ連日、仕事に追われてとても疲れていた。
数日後に迫っている創立祭の準備が最終段階に入っており色々とやらねばならないことが沢山あるのだ。
「あ〜これおいしいねぇ」
「うむ、美味いな」
「あは、お口に合って良かったです」
ユーシスの出した菓子は美味しくソモルに少しの幸福を与えてくれる。
ソモルは生徒会の会計と書記、二役をこなしている。その分負担も多いし大変だが、やり甲斐があるしソモル自身仕事を気に入っている。
しかし、ソモルはここ最近不穏なものを感じていた。
ユーシスはやけに浮かれているし、ニリアはなんだか目を光らせてユーシスの周りを監視しているし、会議の度にアイーヌとユーキルは喧嘩をする。
(なんか僕の第六感が危険を感じとっている…)
ふうむ、とケーキを頬張りながらソモルは考える。
まぁなにか起きればその時はその時か、と言いつつも、めんどくさいのは嫌だなぁと思うソモルだった。
「あ、そういえば結局黒研の出し物は何に決まったんだっけ?」
「ステージでクイズ大会だよ!」
「? よく覚えてるなキリクボート」
「あ、や、急な変更だったから覚えてたんです」
ソモルの問いに即答するユーシスに、アートは首を傾げた。
そしてなぜかしどろもどろになるユーシス。
「ふぅん」
「うん、そうなんだ! そうなんだ!」
明らかに怪しいユーシスにアートとソモルは不信感を覚えた。
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