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 それから二日後創立祭の会議が行われた。

「…えっと…それでは…会議を始めます…」

 周りの眼も気にせず睨み合うアイーヌとユーキルに司会者はちらちらと様子を伺いながら喋り出す。

「本日は各部、委員会の出し物の最終決定を行います。まず」
「はいはーい。あのさ〜出し物の変更ってできるかな〜?」
「いえ、基本前回提出された内容に沿って」
「え〜! できないの〜!? え〜!? 困るなぁ…」

 アイーヌがいつものように他人の言葉を遮り喋り出す。どうやら部の出し物を変更したいようで、司会者の返答にわざとらしく不満気に頬を膨らませている。

「できないなら黒研は参加やめようかな〜」
「えっそれは…!」

 もうプログラムは決定している。今参加の取り消しをすると様々な問題が出てくる。今更参加取り消しは無理だ。不可能に近い。
 それをわかっているアイーヌは困り果てる司会者に向かってうふ、とほほえみかける。

「ねぇ、なら変更してもいいでしょ? 会長さんもいいでしょ?」
「えっ…まぁそれで参加して下さるなら、変更も可能かと私は思いますが…」

 話を振られユーシスは驚きつつも、答える。

「ちょっと待て。さっきから聞いてりゃ、随分勝手な事ばかりだなミシホ」
「…なんか煩い子蝿がいるなぁ。誰か退治しないとだめじゃん」

 どん、と机を叩きユーキルがアイーヌに向かって叫ぶ。アイーヌはそんなユーキルがうざったいのか、馬鹿にしたような顔をする。
 それを見たとたんユーキルの顔にピキッと青筋が立つ。

「この根性ひん曲がり男っ! 誰が子蝿だ!?」
「あぁ本当煩いなぁ。……早くくたばれでくのぼうが」

 激昂したユーキルにボソッと、それでいてきちんと聞こえるようにアイーヌは悪態をつく。
 会議室は一気に不穏な空気に包まれた。



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