7

 剣術鍛練室に着くと何人かが剣の素振りをしていた。ユーシスの登場に気付いた生徒達はその手を止めキャーキャー声を挙げた。
 ユーシスは近くにいる生徒に声をかける。

「ねぇニリア=シュンミを見掛けなかった?」
「ユーシス様! た、確かニリア様は、先程あちらに行きました!」
「そう、ありがとう」

 ユーシスがにこっと笑いかけると生徒は、はうぅんと意味不明な言葉を吐きへにゃへにゃと床に座ってしまった。ユーシスは生徒の指した小屋へ向かう。
 そこではニリアが素振りをしていた。練習に集中しているニリアの頬には汗が流れている。
 ユーシスは扉をトントンと叩いた。
 ノックの音に振り返ったニリアはユーシスを見て笑顔になる。

「ユーシス」
「暑くないかい? 良かったら私とお茶でも飲んで休憩しようよ」
「あぁ。ちょうど終わりにしようかと思っていたところだ」
「生徒会室に来たんだって? ごめんねいなくて。ちょっと出てたんだ」
「いや、構わない」

 ニリアは剣を置き、ユーシスに駆け寄る。

「じゃあすぐ着替えるから」

 ユーシスはニリアの着替えるのを待って食堂へ向かう。

「あぁそうだ。風紀委員長のユーキル=マライシスっていう人を知っているかい? さっき知り合ったんだけど私と名前が似ているよね」
「へぇ確かに似ているね」
「ね。それにとても背が高くてね。見上げてたら首が痛くなったよ」

 たわいもない日常の会話にニリアは幸せを感じる。ユーシスに一番近いのは自分だと実感するのだ。



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