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 放課後、ニリアとは別れてユーシスは生徒会室に向かった。
 アイーヌに頼まれた創立祭の書類の用意する。
 すると部屋に入ってきたソモルが声をかける。

「あれユーシスどこか行くの?」
「うん。黒魔術研究部のアイーヌさんに書類を頼まれたんだ。今年の創立祭に参加するんだって」
「えぇ!? アイーヌってあのアイーヌ=ミシホ? 何で?」
「倶楽部のイメージを変えたいんだって。いいことだよね!」

 笑顔のユーシスをソモルはぽかんとした顔で見つめた。

「ユーシス、それ本気で信じてるのかい?」
「うん?」
「あのアイーヌだよ? 何か裏があるに決まってるよ!」
「あははは! ソモル勘繰りすぎだよ」

 ソモルに肩をユッサユサと揺さぶられたユーシス。
 しかし大丈夫、大丈夫とユーシスは手を振って、じゃあ行ってくるね、と言い書類を持って部屋をでていった。

「大丈夫じゃないよ…」

 どうしてうちの会長はこうなんだ…とソモルは頭を抱えた。


*********


「アイーヌさん、キリクボートです」
「あぁいらっしゃい会長君」

 部室の扉を叩くとアイーヌが出迎える。
 会長君、という言葉に微笑むユーシス。
 部屋に入った二人は、小さなソファーに向かい合わせで座る。
 ユーシスは鞄から書類を出してアイーヌに渡した。

「これが書類です」
「ありがとう。すぐ書き終わるからちょっと待っててくれる?」
「はい、構いませんよ」

 台所に行ったアイーヌはお茶とお菓子を持って戻ってきた。
 前回のことを思い出し一瞬身構えるユーシス。忘れていたわけではなかった。

「今度は変な魔法かけてないから大丈夫だよ、あはは」
「あははは、そうですよね!」

 ユーシスの表情が硬くなったのが分かったのかアイーヌは笑いながら言った。
 アイーヌのにやけ顔につられてユーシスも笑う。



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