チョロ松は携帯の画面を必死に見せないようにしている。
しかも、私にだけ警戒しているようで……
彼女である私に隠すとかなんなんだろう、
というか逆に隠されたら相手が誰だろうと気になるよね!?
「というわけで見せてよ」
「どういうわけ!?っていうか何を!」
「待ち受け画面「無理です」
ほら!ほらみろ!何!?無理ですって!がめんのん、って言い切ってすらないとこで切られたよ早いよ怪しいよ!!!
「にゃ〜ちゃん」
「違うよ…」
「私よりおっぱい大きい子とかか」
「ち、違う!!!」
「じゃあ全裸のAV女優」
「違う!」
どれもこれも違うって、
「怪しい…怪しすぎる。気になりだして早2時間。夜もぐっすり眠れちゃう」
「寝れるならいいだろ!?」
どうしてここまで隠したがるんだろうな…
私には言えない秘密かぁ……
私はチョロ松のプリン食べた時だって素直に言うのに
チョロ松は携帯の待ち受け画面すら教えてくれないくらい私のこと信じてくれてないのかな…
「チョロ松のバカケチクソ童貞…」
「えっ、突然の悪口やめてくれない!?ていうか童貞卒業させてくれないのそっちじゃん!?」
「そういうこと言う!?あーもう!もう知らない!わかりましたどうせやらしい待ち受けなんでしょもういいですはいさようなら!待ち受けすら見せてくれない心の狭い松野チョロ松さんとはお別れさせていただきますぅー!」
「え!?ちょ、ちょっと待ってよ!!」
ふんっと別れを切り出したらガシィッと首根っこをつかまれた。普通こういう時腕を掴むよね!?なんなのこいつ!!わたしはねこじゃない!!!!!
「そ、その……怒らないなら、見せる…」
「え?」
恥ずかしそうにうつむきながら顔色を伺ってくる。
「まぁ、たぶん怒らない。見せて」
「不安だなぁ…」
そう言いながらパチリと携帯を見せてくれた
「え"っ、」
寝顔だ
わたしの。
しかも、ご丁寧に画像加工でキラキラしてて、頭にうさ耳まで付いている。
「あ…その……ごめん名前……」
「いやなんか……こちらこそ、ごめん…」
なぜか謝る私…
微妙な空気が流れ、その後なんとなく二人で写メを撮ってそれをお揃いで待ち受けにしてみた。
お題…魔女 様より
2015年作品
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