「おーい、総一郎くぅん。いるんでしょ?いない振りして実はいるんでしょ?お願いだから開けてくれよ!300円あげるからァァ「彼女来てるんで、今日は引き上げてもらえませんかねィ。今、イイトコなんで」


かれこれ1年ルームシェアしている友人(後輩)に裏切られ、バイト帰りで疲れているにもかかわらず、追い出しをくらったのが十分前。取り敢えず、ヅラんとこ当たるかとアパートを出たのが数分前。で、道端に転がっているOL風の女を見つけたのが今。








「おーい、お姉さん。ここ、道路なんですけど。こんなとこいたら、風邪引いちまうぞ」

取り敢えず声を掛けてみたが、反応無し。軽く突ついてみるも、びくともしない。まさか、死んでねぇよな?ちくしょうと思いつつも、ぺちぺちと頬を叩いていたあれ?今びくっと動いたような、


それはどうやら俺の勘違いではなかったらしい。その後、むっくりと上半身をあげ目をしぱしぱとする女。まだ状況を理解していないらしい。


「オイオイ、大丈夫かよ。怪我とかしてねえか」

と顔を覗き込んだら、こくこくうなづく。ちょっと心配だけど、まあもう社会人だしいいだろ、と隙をみせた瞬間だった。


離れた距離を一気に縮ませ、俺に拒否の選択肢を与える暇もないくらいに、女は無理やり自身の唇を俺に押さえつけた。