バイトは居酒屋からコンビニ、牛丼屋へと変わった。沖田くんとのルームシェアも終了し、あのアパートから2駅分だけ大学から近くなった。




でも、貧乏大学生であることは相変わらずだ。今日もバイト仲間の長谷川さんと安い酒を飲み交わしていた。よくこんなゲテモノ連れられるなと隣の客に関心したが、どっかで妙に見たことあるなと思い、それは向こうも同じだったらしい。顔は長い前髪に覆われていて伺えないものの、口をあ、と開いた。










「名前はさ、」

はじめは、名前の名前がこの男に言われるのに多少違和感を感じた。男は名前とは高校からの付き合いで、よく飲みにいくという。




「あいつは、素直じゃねえんだよ」


背伸びしたがるかど、本当は子ども。プライドは高ぇけど、実は寂しがりやで。言いたいことも言わねえし。強くて、弱いやつなんだよ。ったく、あーあ。まあ、言いたかねえけど、



名前、てめえのことすげえ気にってたぞ。