あの日の夜、俺ははじめて彼女を抱いた。掠れた声で、「銀時、」と名前で呼ばれた時は震えるくらいに嬉しくて、「名前」って呼んだら、声が上擦って自分が気持ち悪かった。彼女はそんな俺を目を細めて笑い、俺は悔しくなって、彼女が柔らかなベッドに沈むくらいに押し付け、キスをした。







数日後彼女のマンションを訪れ、インターホンを鳴らすも返事はなかった。その次の日も、その次の日も訪ねたが彼女の声が聞けることはなかった。








口がどうも寂しくて、大学唯一の喫煙所である中庭に向かったら、またもや憎たらしい面がいやがった。



「オイ、何でこんな時までてめえの顔見なきゃならねーんだよ」


「ここ、喫煙所。みんなが自由に使える場所何ですぅ〜。御宅もうちょっとそっちいって「あら、あなた様はマヨラ様のご友人でいらっしゃいますの?」


いきなり、土方の隣に出てきた彼女。へえ、と、土方をみれば、そんなんじゃねえと目で言った。


「マヨラ様のご友人は私のご友人でもございまする。よろしくでございまする」

「あ、どーも」


「ばか、こいつは友達でも何でもねぇから。よろしくすんな。つうか、ほら次お前2号館だろ。もう、ギリギリじゃねーか」



ぶんぶんと土方に彼女は手を振り、はよ行けと急かされてからようやく2号館に彼女は向かった。





お似合いじゃねーかいったら、うるせえと返された。満更でもないんだなと思った。