目が不意にあったので思わず逸らしてしまった。挙動不審、いやむしろ嫌われた?いくらなんでもあからさますぎたよなとひとりで後悔する。何でもっとこう自然な対応ができないんだろう。

顔をあげて沖田をみれば、先程の事などさほども気にしてないようで、隣の山崎と何やら話していた。だが、それはそれで何だかなあと思う。


松平長官の指令により、週に一度ペースで「市民の安全と平和」について議論するはずの会議はもはや誰も聞いていない。というのも、近藤により「市民」というのがある一人の女性に特化されており、議題の歪曲どころではなく、もはや近藤の愛を語る場と成り果てていたのだ。


私は特にすることもなく、柔らかな光が差し込む障子に目を向けた。午前中の勤務に加えて昼食をとった後からか、うとうとする。不意に出そうになった欠伸を飲み込んだら、またもや目が合った。


彼はすぐにその目を三日月にして声をあげずににんまりと笑い、隣の山崎に話しかけた。嫌な予感がする、というか嫌な予感しかしない。


山崎は背中をぷるぷる震わせて、こちらをちらりと見る。嫌な予感的中だ。


そして沖田がゆっくり振り返り、携帯をこちらに見せつけた。ディスプレイを目を凝らしてみれば、ひょっとこのような馬鹿面をした私の顔が写っていた。私は彼を睨んだがそれは彼には逆効果だったようで、んべえと赤い舌をだしてきた。ああ、憎たらしいったらありゃしない。

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