123、の魔法 | ナノ





「げ………やべぇ、今回わりと重症か?」




俺がついつい理性に負けて、センの額にキスした翌日。
毎日ジムに来ては、うるせー位に文句を言って、だけどさり気なく気遣ってくれるセンは来なかった。


やっぱり昨日の事があったからか?とは思う。けど、俺は変なところでチキンだ。そんでめんどくさがり。
聞きに行こうとは思うのに、行動に移せなかった。




「どうっすっかな………。"だいっきらい"とまで言われちまってるからな………。」




まあ、あいつの「だいっきらい」はどこまでほんとか分かんねーけど。
かなり捻くれてっからなー、センは。
ジムトレーナのチマリに「ツンデレ」って言われてた気がする。




「………仕方ねぇ、行くか。」




喧嘩した時に謝りに行くのは、どうせいつも俺なのだ。
今回は喧嘩なのか微妙だけど。


溜め息をついて、俺は重い腰を上げた。




ひねくれた君の瞼の奥を覗きたくて
(………ほんとに嫌われてたら立ち直れないけど。)




 

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