「げ………やべぇ、今回わりと重症か?」
俺がついつい理性に負けて、センの額にキスした翌日。
毎日ジムに来ては、うるせー位に文句を言って、だけどさり気なく気遣ってくれるセンは来なかった。
やっぱり昨日の事があったからか?とは思う。けど、俺は変なところでチキンだ。そんでめんどくさがり。
聞きに行こうとは思うのに、行動に移せなかった。
「どうっすっかな………。"だいっきらい"とまで言われちまってるからな………。」
まあ、あいつの「だいっきらい」はどこまでほんとか分かんねーけど。
かなり捻くれてっからなー、センは。
ジムトレーナのチマリに「ツンデレ」って言われてた気がする。
「………仕方ねぇ、行くか。」
喧嘩した時に謝りに行くのは、どうせいつも俺なのだ。
今回は喧嘩なのか微妙だけど。
溜め息をついて、俺は重い腰を上げた。
ひねくれた君の瞼の奥を覗きたくて
(………ほんとに嫌われてたら立ち直れないけど。)
← →
戻る