「うし。終わったぜ、セン。」
俺が振り向いた先にいたセンは、壁にもたれて寝ていた。
あんまり気持ち良さそうに寝てるから、起こす気にもなれなくて、俺も隣りで寝る事にする。
けど、いざ隣りにくると、どうしても観察してしまう。
柔らかそうな髪、長い睫毛、滑らかな肌。
最後に目に止まった、桃色をした唇に、どうしようもなくキスしたい衝動にかられる。
あほ、俺はガキか!
「調子狂うな………。」
「ん………、あ、デンジ。終わったんだ。」
なんとも言えないタイミングで目を覚ました彼女は、眠いのか目をこする。
いまだにうるさい心臓と、きっと赤いであろう顔を背けて、「ああ。」と一言返す。
「って、デンジ顔赤いよ?あんたずーっと改造ばっかしてるから、風邪ひいたんじゃない?」
俺の額に、ひんやりとした手が置かれた。
俺の体温を確かめて、センはほっとしたのか柔らかく微笑む。
滅多にそんな風に笑わない彼女に釘付けになった俺の理性は、もう限界らしい。
なんとか口じゃなくて、額にキスを落とす。
センは一気に真っ赤になった。
「な、ちょ、なに、なにしてっ………!」
「セン真っ赤。」
「こ、これは別にっ………、デンジのバカ!だいっきらい!」
ああ、フラれちまった。
それはおでこに落とされた
(彼女はジムを飛び出していった。ありえないくらい真っ赤になって。)
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