謝らなくちゃ。ほんとはだいっきらいなんかじゃないよ、だいすきだからって。今素直にならなくていつ素直になるの!
それで、聞くんだ。私のことどう思ってるのかを。ほんの少し、ううん、すっごく怖いけどそうしなくちゃ何も変わらないってわかってるから。
通いなれたジムへの道を、全力で走る。いつもより早いはずなのに、道程が遠く感じた。
「チマリちゃん!」
「わっびっくりした、センおねぇちゃんかあ。どうしたの?」
「あのね、デンジ、いる?」
「デンジおにぃちゃん?ちょっと前に出てったよ?」
「うわ、入れ違い…!」
思わず舌打ちしてしまってから、踵を返す。後ろからチマリちゃんが、「また入れ違いになっちゃうかもだし待ってた方がいいよ!」って言ってくれたけど、今はとにかく早く伝えたかった。
せっかく言うって決めたのに、時間が経ってしまったらまた言えなくなってしまうような、そんな気がして。
「待ってなさいよ、デンジ…!絶対、伝えてやるんだから…!」
ぐっと手を握りしめて、私はデンジを探すべく足を動かした。
とりあえずは、灯台とかかな。
駆け抜ける、君を探して
(早く、早く、君に伝えなきゃ。)
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