「あー…今日学校行くんいややなあ…部屋帰って寝たいわあ。」
「あはは、日向ちゃん昨日が初任務だったんだもんね。」
翌朝、女子寮の食堂で朝食をとった日向は、登校時間までの一時を朔夜と過ごしていた。
昨日の戦闘で鳴弦を何回か射て気を消費して疲労が蓄積している日向は、今にも瞼が閉じそうである。
そんな日向の様子をクスクスと笑いながら、「そういえば、」と朔夜は切り出した。
「今日って祓魔塾休みだよねえ。」
「へ?そうやったっけ?」
「そうだよー、先生言ってたじゃない!日向ちゃんは今日どうするの?」
「んー…休みやと思てへんかったからなんも考えとらんかったわ…。」
「あ、なら私と遊びにいこうよ!なんだかんだで一緒に外行ったことないし…メッフィーランドとかどう?」
「うわあ、いいなあそれ!めっちゃ楽しそうやん!行こ行こ!」
女二人で盛り上がっていると、食堂のおばちゃんから「あんた達そろそろ行かないと遅刻するわよー?」と声がかかった。
慌てて時間を確認すると、もう寮を出ないとHRに間に合わないという時間。
急いで食器を下げ、おばちゃんに「ごちそうさま!」と叫ぶように言うと、二人は学校目指して駆け出した。
◇◆◇
放課後。掃除当番の朔夜を待つ日向は、中庭で携帯を弄っていた。―――今日学校に来なかった金造に電話をするために。
休み時間にも電話したのだが、全く出なかったのだ。何をしているんだか、と眉を寄せ心配しつつ、1コール、2コール、
『………なんやねん。』
「あっ、金造!あんた学校休んでどないしたん?風邪でも引いたん?」
『あー、ちゃうちゃう。昨日寝るの遅なって、起きたら昼になっとった。』
「………アホちゃう。心配して損した気分やわ。」
『なんやと!…あ、そや、ノート見せてほしいんやけど、』
「自分で取り来ぃひんなら貸さんわアホ!」
ブツ!怒りに任せて電話を切ってから、日向は気づく。
ここでは男子女子で分かれている寮に住んでいるのだった、実家ではないのだから取りに来れる訳がない。
しかし啖呵をきった手前また電話するのもなあ、と頭を捻っていると、掃除を終えた朔夜が来た。朔夜を待たせるのもあれだし、まあ後で落ち着いてから電話しようと決めて、その問題はとりあえず頭の隅に追いやった。
悪いけどもう夢中
(高校始めての友達との、外出だから!)
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