「…ん…」


眠りが浅かったせいかゆっくりと目を開ける。
いつもならぐっすり寝れるのに…。
時計は午前2時過ぎ。
真夜中に起きるなんて思ってなくてもう一度眠りに入ろうと目を閉じた。

けれども、どうにも寝つけない。




「…名無し、起きてるの?」

「あ…ギャリー…」



私の姿を見るなり、おはよう(おはようの時間じゃないような気もするけど)と言っては頭をなでなでする。
私は子供じゃないのに…そう思いつつもギャリーの大きな手が心地よくて、その心地よさに素直に甘える。


「…どうしたの?いつもなら子供扱いしないで!って怒るのに」

「…な、なんでもないよ!なんとなく、人恋しくなっただけ」


ふふ、そうなの。
なんて楽しそうに、なお嬉しそうに微笑むギャリーに私もなんだか嬉しくなって、つられて微笑んでしまう。

それだけで私は幸せだなぁ、なんて単純なんだろう。
ギャリーも同じ気持ちだろうか…なんだか不安になってしまって、見上げたらばちっと目が合う。


そして、そのまま、視界が暗転。


気付いたら私はまたベットに戻っていた。
押し倒されたと理解出来た時には天井が見えていて、首筋にチリッと痛みを感じてからで、


「ねぇ…名無し…」

「ひ、ぁ…!ギャ、リー…」

「…たまには、いいでしょう?」


甘えん坊な名無しを見ていたら食べたくなってきちゃったのよ、なんて熱を孕んだ声色で、耳元で、囁いてくるから
私までなんだか、変な気分になってしまってギャリーの首に腕を回した。




「…それはいい、って合図で受け取っていいのね?」

「……ん」


もう一度、名無し、と耳元で囁かれて彼からの口付けを受け入れ、身を委ねた。


人恋しいマシェリ
(貴方の温もりで安眠させて)



10.28




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