女体化 | ナノ

3Bのタブー
「なぁなぁ!体育の時の丸井の胸見たか?すっげー揺れてんの!」
「そうそう!しかもブラが若干透けててさー赤いボーダー!丸井らしくてすんげーいい!」

体育の授業が終わり、女子が別教室で着替えている真っ最中。教室に男子しかいないのを良い事に、下世話な話が響き渡る。

「あー大きさどれくらいあんだろ、Cかな?」
「いやーもっとあるだろー」
「なぁ、仁王は同じ部活なら知ってるんじゃねぇの?」

不快な会話に入りたくなくて、わざと眠ったふりをしていたのに、空気の読めないクラスメイトはわざわざ俺に近寄ってきて大声を立てた。

「あぁ…?」
「丸井の胸だよ丸井の胸!大きさどれくらい?もしかして、触ったことある?」

興奮して鼻息が荒い。とても下品な顔だ。そんなやつにブン太を夜のおかずに使われるような材料をやすやすと渡したくはない。

が、このまましらを切るのもしゃくだった。
こいつらに一泡吹かせてやりたい。

「見てくれの大きさばかり気にするなんて、お前さんら本当ガキじゃのぉ」

ニヤリと悪戯気味に笑えば、バカにされたと思ったのか、クラスメイトは顔を真っ赤にし、声を荒げる。

「なっ、なんだよ!仁王だって巨乳好きだろ!くそっ、大人ぶりやがって!」

バカにすんな!と荒ぶるクラスメイト。なんだなんだと他の人達も俺らを見つめている。

その愛らしいルックスと愛嬌で、男子にかなり人気のあるブン太。
そんな彼女の胸の大きさ…
男子達は気になって仕方がないのか、あまり話をした事無い奴らまで聞き耳を立てている。

「ええか、女の胸で大事なのは大きさじゃのぉて…柔らかさと感度じゃ」

感度、と言う言葉を聞き、童貞であろうクラスメイトは一気に頬を染めた。

「両手で揉んだ時に柔らかさがなきゃ全く癒されんじゃろ?それに、ちょっと乳首に触れただけでも感じる体だったら、男として嬉しいに決まってるぜよ!」

な、なるほどー!と、クラスにいる男子達が頷いた。

「って…!事は…丸井も…そうなのか…?」
そこにいる誰もが生唾を飲み込み、俺の言葉を聞き漏らさぬよう神経を集中させている。
面白い、これはからかいがいがありそうだ。

「ブン太は…」

次の言葉を言おうとした瞬間、ガラッと教室の扉が勢いよく開かれた。
みんな一斉に音のした方向を振り向く。扉の向こうに立っているのは会話の中心になっていた赤毛の少女。

「俺が…なんだって?」

教室内はやべー!と言う阿鼻叫喚だ。頬を膨らませ、あきらかに怒っていますと言う表情をしながら、ブン太はつかつかと、俺の前に詰め寄る。

「仁王…ちょっと来い…」
はいはい、と言って近づくと、いきなり腕を掴まれる。されるがまま、ブン太に引きずられながら教室の外へと向かう。
勢いよく扉を閉めると、大きな音と共にビリビリとした衝撃が廊下にも伝わった。

教室内では先ほどの会話の続きを話しているのか、ざわざわとした声が耳に届いた。

「どっから聞いとった?」
誰もいない空き教室に連れてこられ、扉を閉めれば、外の世界と遮断されてしまったかのような静けさが漂う。
ブン太は俺の前に立ち、ムスッとした顔で俺を見つめる。

「なにが女の胸で大切なのは柔らかさと感度だこのバカ」

「俺は別に、ブン太の胸が柔らかくて感度がいい、なんて言いたかったわけじゃないぜよ」

ブン太の顔がカッと赤く染まる。図星か、とニヤニヤしながら見つめる。クラスの男子をからかうより、ブン太をからかった方が何倍も楽しい。

「なんなら今ここで試してみるかのぉ、ブン太の胸は柔らかくて感度がいいかどうか…」
「はぁ!?何言ってんだよ!」

ブン太の胸に手を伸ばすも、勢いよく叩かれてしまう。
「痛いのぉ…」

クスクスと悪戯げに笑う俺を見て、本気だと悟ったのか後ろを振り向き逃げようとする。
しかし、ちょうどそこは壁。ブン太は俺に背を向け壁と体を密着させた。
そんな抵抗は全く無駄だ。
脇から手をいれ、横から二つの乳房をもみほぐす。

「ひゃっ…!」
柔らかさを堪能するように、両手を交互に動かしながら優しく揉みあげる。

「ちょっ…仁王…やめっ…」
「敏感」
「俺は敏感じゃねぇ!」

後ろを振り返り、俺を睨みつける。しかし、こちらとしては好都合。壁と体に隙間ができた。
そこから手を全て回し、一番敏感であろう場所を掠めた。

「…あっ…!」
「なんじゃ?まだ触ってもいないのに反応したのぉ…敏感じゃない言ってるのに」

やめろ、と言う声は気にしない。ブラの上からそこを押し潰すように刺激する。ブン太は声をあげまいと必死に耐えていた。
両手で胸を揉みながら、人差し指て擦ったり円を書くように撫でてやる。
いつもベットでやるのと同じように…。

「やだっ…仁王…や…め…っ!」
鳴かせてやりたい。それは男の本能。
ブラの上からじゃ敏感な突起か硬さをもったのか分からない。

ワイシャツのボタンの隙間から指をさしいれ、直接素肌に触れようとした瞬間だった。

バッチーン!
自分の右頬に鋭い痛みが走った。
ブン太の強烈な平手が俺の頬にヒットしたのに気づいた。
殴られた箇所は痛み遅れてジンジンと熱を持ちはじめる。

「学校でなんて事しようとしてんだ!」
ブン太は顔を真っ赤にし、目にはうっすらと涙を浮かべている。
真面目はブン太は学校で行為をする事をとにかく嫌っていた。

「もうっ…胸も体も触らせてやんねーよ!このっ、バカ仁王っー!!」

悪戯がすぎたようだ。ブン太は痛がる俺には目もくれず、走って教室を飛び出してしまった。
ポツンと一人残されてしまい、再び静かになる教室。

「やっちまったぜよ…」
ブン太の体に触れる事が出来ないなんて死刑宣告に近い。
右頬を抑えながら、ブン太になんて謝れば許してもらえるだろうかと、必死に謝罪の言葉を考えた。


仁王とブン太は二人で教室を出て行ったのに、別々に戻ってきた。しかも、ブン太は機嫌が悪いし、仁王の右頬は氷のうで冷やさなければいけない位、赤く腫れ上がっている。

その姿を見たクラスの男子達は、二人を喧嘩させてしまった!と大層慌てたという。
別れ話になっていないか、ブン太を傷つけたんじゃないかと心配で授業もままならない。

いつもは騒がしい3年B組は、その日一日、お葬式のように静かだった。

「仁王と丸井の前では胸の話をしない」
男子達はみな心に誓った。
これが、3年B組のタブーになったと言う事は、言うまでもない…。

end


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