ふたりきりだから
慶びが溢れて、俯いた拍子に零れ落ちていった。
「あきらくん、あきらくん」
触れる胸から伝わる鼓動も、背中に廻った腕の温かさも、名前を呼ぶ度抱きしめられる力も、すべて夢じゃない。
これだ、これが、私の幸せなんだ。
「あきらくん。」
あきらくん、あきらくん
「おかえり、あきらくん」
此処にいて、人目も憚らず抱きしめてくれる、わたしの大好きな人。
「………ただいま」
あきらくんだけを感じられる今は、まるで世界に二人きりのようだった。
20141126
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