※「王様」と同じ設定




こんな朝は、気分が良い。



道也はだいたい仰向けで寝る。
十分の一の確率で腕枕がついて、更に十分の一で抱き込まれたりする。
この、時たま発動する抱きつき癖が堪らなくなんだよ。子供みたいで。

目の前には天井、左側には道也。体全体を抱き込まれて暖かい。
もぞもぞと左を向くと、力の抜けた穏やかな顔に笑いが込み上げた。

(随分と若返ンだな……)

普段の無表情とのギャップがありすぎる。
ニヤニヤ眺めていたが、暇になってきて起きる事にした。
コイツも道連れにして。

「道也、起きろよ!」

そのままの状態から声を張って起こすが、少し身じろぐぐらいだ。
寝起き悪すぎんだろ、お前。
いっそ水でもぶっかけてやろうかと思って、抜け出そうとすると腕の力が強まる。
……実は起きてんのか?

いい加減イライラした俺は、最終手段に出る事にした。

道也は耳が弱い。
それはもう耳に息を吹きかけただけで椅子から落ちそうになるくらいに。

つまり、そういう事だ。

体を浮かして優しく息を吹きかけると、

「……っっ!」

道也はビクついて左耳を押さえた。
もちろんお目覚め。
  
「起きたか?」

「……あぁ。」

なんとなく状況を察したのか、すまなかったなと言われて体を離した。

「いや、別に?やっぱ面白いしな」

ベット脇で立ち上がり後ろを振り向く。
道也はまだベットに座っていた。

「何がだ」

「ほんっと耳弱いよな」

揶揄するとしかめられる眉が更に面白い。

「下らない事を言っていないでさっさと身支度をしたらどうだ」

「はいはい」


そう返事して、寝室のドアを出た。



こんな穏やかな朝は、本当に気分が良い。



(こんなのが楽しいなんて、)

 

***
これ……は…まぁ私の精一杯の甘さな気配です。
一発目久不でしたー!
鬼豪難しくて白目
考えては居ますから!ちゃんと企画終わらせる予定です予定は未定げふんげふん。






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