そんな、夢



ただただ黒いどろどろがぐるぐると体の周囲をぐるぐると。
ずぶずぶ沈んでいくのかと思いきや、腰の丈で止まってしまって、とても残念に思った。
ぐるぐると回る中心に立っているらしく、俺はその黒いどろどろの影響をあまり受けていないみたいだ。
その場から動けはしないが、ぬるま湯のそれは一種心地良く感じられるような気がしたから問題は無い。

だんだんと視界に黒が落ちてくる。
落ちて来たのは、瞼だったらしい。





視界に白が上がってきた。
瞼を開けた事に気が付く。
俺は、折り畳まれていた。

膜に包まれて、ぬるむ羊水に浮かびながら、じんわりと周りを見回せば沢山の俺がいた。
膜に包まれた沢山の俺が理路整然と並んでいる。
視界に優しくない映像だ。
左の隣の隣の隣の隣の隣の俺が死んで、白いのに喰われるのも見えた。
堪えられない吐き気と言い知れない恐怖に襲われたがそのままじっとしていた。
動けないし、動いた所でどこへも行けない事は、感覚としてわかっていたから。


膜か消えて、解けていく右足を眺めていた俺の悲しみは、俺しか知らない。




繰り返す順応



***
豪炎寺について考えてたら最終的に「こいつ大人過ぎる」で落ち着きましたなんだこいつ





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