「染岡くんは、好きな人いないの?」

僕が一番知りたい事は、実は彼自身も分かってないみたい。
二週間に一度くらい問い掛けるこの質問に、まともに答えてもらった事はまだないんだよね。
いつも『いねぇよ』だとか『さぁな』だとか……こないだは『なんでそんな事気にすんだよ?』だったかな。
鈍感な染岡くん。
きっとまだ、恋を自覚したことが無いんだろうな。

「またかよ…。まぁ、いねぇな」

「染岡くんってさぁ、初恋まだでしょ」

「なんで分かんだよ」

「分かるよ」


だって、染岡くん気付いて無いもの。
ふとした瞬間、自分の視線の先に居るのって僕なんだよ?
それに、最近僕の事まっすぐ見れないでしょ?
脈ありかなって思って訊いたのに平然とされるし……。
ちょっとびっくりしたんだよ?

僕ちゃんと待ってたんだよ。
君がその恋に気付くのを。
もう、おおかみさんに食べられちゃっても文句言わないよね?

ちょっと不機嫌そうな染岡くんの手を取って、思いっきり引っ張った。
バランスを崩して前屈みになる君の頬に軽くキスを落とせば、途端に染まる。


「ふ…ふぶきっ!?」

「やっと、気付いたの?」

あぁもう本当に可愛いんだから!



ソクラテスに恋をした
(恋をしらないソクラテス)
(知ってしまえば   ?)




***
エターナルヒーロー」参加作品
参加させて頂きありがとうございました!

ソクラテス→染岡さん
「無知の知」を脳内で唱えながらもにょもにょ書いたんですが…果たしてあっているのか……。





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