こんな夢をみた。



こぽりこぽり声は零れて。

青い水中。
上は明るく水面が見えるが、下は暗くて底が見えない。
何も無く何もいない。
だがここは海だった。

水の中なのに、何故か息苦しさを感じない。
水で呼吸しているようだ。


こぽこぽ
こぽこぽ


肺の中の空気は少しずつ押し出されて、遂には出なくなった。
水圧がだんだん高くなってゆく。
ゆっくり沈んでいるらしかった。


水面が離れて、離れていく。
光が揺れて、きらきらして、苦しいくらいにきれいだ。


このままで。
このままで良かったのに。

光が遠くなって前が見えなくなった頃、何かに腕を掴まれた。
力強い腕だけが見えた。
ぐいぐい上に引っ張られて、明るくなってくる。
すごくいやだ。
今更、光を見たって、目を灼くだけなのに。


離せよ。放せ。
どうかこのまま、目覚めさせんなよ。



その腕に引き摺られるまま、目の前に水面が迫った。




沈降




***
"腕"は誰でもおけです(`・ω・´)





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