まずい。
非常にまずい。

朝起きれば下腹部に濡れた感触。
……男の生理だから、これはしょうがない。
問題は見ていた夢の内容で、しかもはっきりと覚えている。

細くしなやかな指やら、はしたなく濡れた音やら。
つり目がちな紅玉が細まっていく様やら。
囁かれた吐息混じりの甘い声やらなんやら。
ぼんやりとした空間で、そこだけははっきりと見えていた。



(……豪炎寺…)
(だっ…ダ、メだ……離しっ……)
(出していい)
(あっ…あんぅ……や…きどっ……きど、っっ……ぁ!)



いたたまれない。
"そういう"夢の相手が……鬼道…とは……。

火照る頬を無視して、服を洗うために動き出した。


 夢精 





back

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -