青年と仲良くお話出来るようになって少したち、お互いのことを良く知るようになりました。

青年は下級貴族の長子で将来は家を継がなければなりません。
ですが病弱で、激しい運動はもってのほか。
決して外へは出れないのだそうです。


彼は哀しげに微笑む青年に胸を痛めます。

なんとかしてあげたいと思うのですが、彼に出来る事はありません。



彼は医者でも看護師でもなければ牧師でもありません。
彼は、政治家なのですから。




頭を悩ませ苦しんでいる彼に、更なる頭痛の種が舞い込んできました。

隣国へ二週間の出向を命じられたのです。
それも王様直々に、です。

王様は随分申し訳なさそうな顔をしておりました。
彼は王様を尊敬していましたから、断ることなど出来ませんし、我が儘を言えるほど軽い立場でもありませんでした。


隣国に行く事を青年に伝えると、青年は切なげに笑います。
その笑顔を見るのが余りに辛かったので、戻ってきた時には真っ先に会いに行くと約束しました。

そして、彼は後ろ髪を引かれる思いで旅立ったのでした。






 





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