一っ言も、一言も話はしない。まさに冷戦状態。
つい数日前に下らない事で喧嘩してしまった。幸か不幸か、定期テスト期間に入った為部活は休み。そのせいで声をかけるタイミングが無い。円堂たちも、豪炎寺が俺に向ける妙に冷たい視線に「鬼道、豪炎寺になんかしたのか?」などと……三人ぐらいから聞かれた。
確かに、俺も悪かった。だが拗らせたのは豪炎寺が俺の話を聞いてくれなかったせいだと主張したい。
というか一番悪いのは佐久間なんだ。佐久間。今度あったらどうしてくれようか。普段なら怒ったりしないが今回は話が別だ。アイツが悪い。
とにかく、俺はもう限界なんだ。
豪炎寺は頑として冷ややかで、一緒だった帰り道も円堂や風丸と帰るわ朝の挨拶もない。
もう限界なんだ!
豪炎寺が足りない!
「豪炎寺、」
「何か用か?」
あぁ冷たい声。
視線は絶対零度。
「こないだのあの子は女装した佐久間だ。」
「そんな事信じられ「本当なんだ!」……本当、か?」
「あぁ、本当だ。」
冷静になれば気付くはず、髪の色も背丈も佐久間。
落ち着いてもらうためにこの一週間を耐えきったんだ。
嫉妬されるのは悪くない、悪くないが、ここまではキツい。
というか佐久間が女装趣味に目覚めるのが悪い。
「……すまなかったな、無視したりして。」
「いや、構わない。」
嫉妬自体は嬉しいんだ。本当に。ただ嫉妬の仕方に肝を猛烈に冷やされるだけで。
この後、俺の家に連れ込むのまでいつものコース。
因みに付き合い始めて五ヶ月、こんな一方的な冷戦は八回目だ。
え 、 ま た ?***
嫉妬深い炎寺と忍耐の鬼道さん
脳内で煮詰め過ぎて甘さが飛んだ
0501.一部修正
矛盾を発見してしにたくなった
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