あの子が望むなら、叶えてやりたい。



あの後、明王は私の腕の中で眠ってしまった。
今の時期は不安定なのだろう   …。

もしお前が女だったらどうするつもりだったんだ。
とてもとても醜い衝動。
汚してしまいたくなった。
まだ…未来ある少年を。

不動はスレた所はあるが、ごく普通の子だ。
今は私の隣に居る。けれど、将来はきっと良い妻と子供に恵まれるのだろう。
私の隣になどいるべきでは無い。
私がどれだけ望もうが、いるべきでは無いのだ。
それが、明王の為になる。


それでも、

「……んぅ…みちや…。」

寝言と共にすりよってくる愛し子を拒む事など出来やしないのだ。

「……あき…お…。」


突き離せないまま、
手を放せないまま、
私はこの子に堕ちていく。
この子を汚していく。


この子に捨てられるまで。


23番目のアイロニー
〜墜落のY〜






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