(鬼←豪)
小指に繋がる赤い糸の先には運命の人がいると言うが、その運命の人が同性だった場合はどうなるんだろうか。
今、俺の左小指には絡まるように繋がれた赤い糸が見える。
解こうとしても解けなくて、引っ張っても伸びるだけ。
他の人には見えないらしく、これが見えるかと尋ねたら皆が皆、変な顔をした。
赤い糸の先を追うと、その先には鬼道がいる。
赤い糸の先には、運命の人がいると……。
(…鬼道は男なのに……。)
そんなに疲れているつもりは無かったのだが、幻覚かなんかだろうか。
どことなくボンヤリして、クラクラしている。
早く帰って寝た方が良いかも知れない。
気分が悪いから帰ると円堂に伝えると、隣にいた鬼道に凄く心配された。
「円堂、体調が良くないみたいなんだ。だから今日は帰るな。」
「大丈夫か?気をつけて帰れよ!」
「豪炎寺…お前ふらふらしてるじゃないか…。家の者に送らせようか?」
「大丈夫だ、ありがとう。」
心配そうに覗き込む顔。
鬼道のゴーグルから一瞬眼差しが透けて見えて、体温が一気に上がった気がする。
「豪炎寺、顔真っ赤じゃないか!」
「いや、大丈夫だ。大丈夫だから……」
ちょっと離れてくれないか。
内心で思うが口に出せなかった。
俺が、倒れたからだ。
保険室で目覚めると、小指の赤い糸は消えていた。
だが、鬼道の顔がまともに見れなくなっていて
……。
あの赤い糸は今でも俺に絡み、繋がっているらしい。
絡み合う赤い糸title:
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