※時間軸 二期


厭な夢だ。

そう言っているように見えた。



白い花を放る。
目の前の、土の盛ってある場所に白い花を放る。

何故、こんな事をしているのか。

解らなかったがやらなければならないと、言っていた。


墓だ。

これはあの人の墓だ。

白い花は、似合わないな…。


花を掴んではバラまくように放る。
埋めるのだ。埋めなければ。

憑かれたように、必死に花で埋める。
白で塗り潰す。



「それは哀惜?鬼道くん、まさか悔やんでるの?」

聞き慣れた、後ろからの声。

何時もの巫山戯たような気配はない。


「不動…。」


「鬼道くんはさぁ、悔やんでる?あの時、手を離したことを。」

纏わりつく声。
振り切るように背を向け、また墓を埋めはじめる。

「………そんなように見えるか…?」

「さぁね。」


声はそれきりしなかった。





そういえば、鈴蘭と云う花は毒を孕んでいるらしい。

あの人を畏れ恐れているのだろうか。

亡くなっても尚自らの手で殺したい、と。




花で埋もれた向こう側に、あの人の顔が見えた。

厭な夢だ。

今度は確かに、そう言った。




***
あの人は影山
不動は鬼道さんにとっては一種「独立性」の象徴な人なのかなと。
因みに円堂と影山のカリスマは同種で正反対。ただ影山のは辛くなるから離れてっちゃうのかなと。
鬼道さんとは別なカリスマ。性質として良いのは鬼道、悪いのは影山、手がつけられないのが円堂だと思ってます。





back

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -