最近、豪炎寺と良く目が合うようになった。
気付いたら豪炎寺が何か言いたげにこちらを向いているようだ。
…俺が何かしたか…?
もしくは怪しまれているのか…?
ここ2・3日、戦々恐々としている。
しかし豪炎寺が腐というものを知っているとは思えないし(というか知っていたら泣く)、俺と腐とを結び付けることはまず無いだろう…だから尚更恐ろしい部分があるのだが…。
一体、なんだと言うのか…。
答えは、練習後にはっきりと分かった。
「鬼道、相談したい事があるんだが…」
豪炎寺からの珍しい申し出が合ったのは練習後のロッカールーム。
他の部員は全員帰り、俺と豪炎寺しか居なかった。
俺は着替え終わり、荷物を纏めて帰るだけになっていた。
豪炎寺はもう用意出来ていたようで、何か決心したようにこちらを見ている。
「分かった。ちょっと待っていてくれ。」
珍しい。豪炎寺が相談…?
だから最近目が合っていたのか。
少しほっとしつつ荷物をカバンに詰め込む。
「帰りながらで良いか?」
「あぁ、かまわない。」
カバンを肩から下げ、連れ立ってロッカールームを出た。
そして帰路についたのだ
。
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