こんな、夢をみた。
「恋って…なんだろうな。」
俺の脚の上から声がする。
俺は何故か、鬼道に膝枕をしてやっていた。
「さぁ…な…。」
桜の花びらが降ってきた。
気付けば桜の木の根元にいた。
淡い、淡い、薄紅の花弁。
「桜、みたいなものかもな。」
ふと、口にしていた言葉。
鬼道はふっと笑って、
「永く続かないって事か?」
「いや、一瞬だから美しいって事だ。」
恋…淡く色付くその想い。
だが、淡いものならすぐ消えてしまうだろう…?
消えてしまう位の想いなど必要ない。
醜くくても、想いつづけたい。
愉し気に鬼道は言う。
「桜は嫌いだ。」
「あぁ、俺もだ。」
ふわりふわり舞う桜の花びら、
いっそどこかへ
散って逝け
(後に残って、朽ちるだけ)
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