第4話(最終話)

会場は、政宗の家から20分くらい離れたこじゅの家である。

全速力で走ったおかげで、10分で着くことができた。

「お邪魔しまーす!」

ドアを開け、リビングに入ると、既に他のメンバーは到着していた。

既に仮装もし終わっている。

「貴様ら、遅かったな。」

オクラの着ぐるみを着た元就が足を組んで椅子に座っている。

相変わらず偉そうな奴だが、格好が格好なのであまり腹はたたない。

私と政宗が目を合わせ、吹き出しそうなのをこらえていると、こじゅがキッチンから出てきた。

こじゅはフランケンシュタインの格好をしている。

そのせいか、いつもよりゴツく見える。

「全員揃ったか。なら、始めるか。」

そう言いながら、テーブルに料理をのせていく。

私は魔女、政宗は吸血鬼、幸ちゃんはシーツおばけに仮装してから、各々が持って来たお菓子をならべた。

全ての料理とお菓子が並び、テーブルはすごく華やかになった。

「いただきまーす!」

みんなが持ち寄った料理に手をつける。

こじゅは、野菜ケーキに野菜いため。

佐助は、団子。

元親は、魚を持って来ていた。

「元親、なんでお菓子じゃなくて魚なの?」

私がそう聞くと、元親は少しふてくされて、

「俺は、菓子作りなんて女々しいことはしないんだよ!」

と言った。

狼男の格好をしているからか、なんとなくふてくされているのが可愛く見える。

元就は………何あれ?

元就が持って来たタッパーの中には、緑と白色が覗いている。

如何にも、食べたらヤバそうなのだが、元就は平然と食べている。

しかし、食べているのは元就だけで、完全に元就の占領状態となっている。

「ねえ、元就。それ何?」

すると、元就は平然とした口調でこう答えた。

「何って…。オクラの甘納豆に決まっておるであろう!!」

……………………はあ?

あのネバネバしてすね毛のような毛が生えた緑の甘納豆だと!?

いくらオクラが好きとはいえ、普通おひたしでストップでしょ。

「ねえ。それって美味しいの?」

「美味に決まっておるであろう!!疑うならば、食べてみるが良い!」

「いえ。けっこうです。」

あれを食べたら、私は天に召されるなと思い、丁重に断っておいた。

そして、また食べ始めようと皿に目をやると、

………。

ない。
さっきまであれだけあったお菓子や料理がほとんどなくなっている。

横を見ると、シーツおばけの幸ちゃんが自分の皿に山盛りに料理を積み、ものすごい勢いで食べている。

あんなに食べづらそうな格好をしているのに…食いしん坊にも程がある。

私唖然としていると、佐助が幸ちゃんがバカ食いしていることに気付き、説教を始めた。

流石、いつでもどこでもガイコツの格好をしていてもおかんである。




「さて、もう夜も更けてきた。そろそろ終いにするぞ。」

こじゅの言葉で初めてかなり時間が経っていたことに気付いた。
明日はまた学校がある。

私達は、いそいそ片付けてお開きにした。




帰り道。

「今日のHalloween Paryは最高だったな!」
政宗の言葉にみんなも頷いてくれる。

私自身もすごく楽しかった。

今年が1番楽しかったんじゃないかと思う。

また、来年もみんなでハロウィンしたいな…。

今度は、フォーチュンクッキーを作るのもいいかもしれない。

美味しくて、ちょっとしたゲームも出来て、一石二鳥だ。

私は、まだまだ先のことを考え、胸を期待で膨らませるのだった。


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