第3話

秘書の仕事は、そう難しいものではなかった。

お茶を入れたり、政宗に頼まれた資料を取りに行ったりなど、容易いものであった。

それに、軍の皆様や侍女の皆様がよくしてくれたおかげで、

仕事がし易く、皆と仲良くなることができた。

だが、ここは群雄割拠の戦国時代。平和な日々なんて長く続く訳がない。

私がこの世界に来て3ヶ月ぐらい経った頃、

国境での隣国とのこずれあいが深刻なものになってしまい、戦へと発展してしまった。

戦では必ず誰かが死ぬ。

今日、仲良く話をしていた人が、

戦という私の知らないところで死んでしまうかもしれない。

なかには、帰りを待つ妻子をもつ兵も多い筈だ。

そう思うと、とても不安でしょうがなかった。

だが、私が不安になったところで、一体何が変わろうか。

私は、ただ彼らの無事を祈るのみであった。


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