「おーい!」

後ろから自分を呼ぶ声がした

振り向けば見知った顔である

遠くの方で、黒髪に黒眼、長身の男ライナ・リュートが手を振っていた

彼は万年眠たそうで、今日も彼の目はとろんと半分閉じている

「ライナさん、相変わらず眠たそうですねぇ」

「おっ…わかる?実はシオンがさぁ…」

「またお仕事ですか?」

「そうなんだよ、俺の立場にもなってほしいよな〜…
俺ってば一日三百時間くらい寝ないとやってられないんだぜ?」

そう言いながらライナはアネモネへ近づいてきて、ふわぁと欠伸をした

「シオンもさ、戦争おわったからもっと肩の力抜いていいと思うわけよ
でもさ、会う度に仕事してるわけ」

「あは、シオンさんらしいですね」

「お前、近くにいるんだから見張ってろよ…俺、そしたらゆっくりできるしさ」

「いいですよ、でもお断わりします」

「えぇぇ…肯定したのに断るのかよ…」

「だってライナさんが言った方が喜びますよ」

アネモネがそう言うと、ライナはうーんと考えた

「俺、それ何回もやったけど…」

「親友に言われた方が、はっと気が付くかもしれません」

「し、親友…?親友かぁ…いい響きだな…」

彼は嬉しそうに顔を緩めた

ライナは大変優しい、そして寂しがり屋だ

彼とシオンは悪友でことあるごとにつるんでいる

アネモネはまだ彼らに会って日数は少ないが、それでも、暖かなものが伝わってくるのであった

「ん〜まぁいいや、じゃあ俺ちょっと文句言ってくるよ」

「それがいいです」

「そうだ、よかったら一緒にくるか?」

「えぇ?嬉しいですけど…でも二人の時間を邪魔しちゃいますよ?」

「まぁたお前ってば誤解を招くような台詞を……」

ライナはぽりぽりと頭をかきながらアネモネを小突いた

「と…とにかくさ、一緒に行こうぜ」

「あわよくば私に仕事を押しつける気ですね?」

「何でわかるんだよ……」

アネモネはライナに触られた場所をぽんぽんと叩いてから、彼の後をついていく

何だかんだと冗談を言いあいながらも楽しそうに歩く二人であった

まぁ当然というか、執務室に行った途端、二人は仕事の鬼というシオンに捕まったのであるが、これはまた別の話である




ねむたそうな彼と
仕事して☆







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