1、現代パロ
2、ライナは三大ヒロインの誰かと結婚
3、結婚してても他のヒロインも普通にでてくる
4、シオンは社長
5、ミルク編




「ライナ」

聞き慣れた声がする

「もう…起きてよう」

少女の声

困ったような焦ったような声色だ

「んぁ…もう朝?」

そんな彼女が必死に呼び掛けていると

そんなことを言いながら黒髪黒目の長身の男、ライナ・リュートは眠たそうに目を擦った

実際彼の目はいつもトロンとして眠たそうであるが、今は目が覚めたばかりなのでそれが主な原因のようだ

「ライナ、今日私と遊園地行くんでしょ?」

「……あ…」

「今思い出したのっ?」

驚いたように相手は両手を頬に当てた

彼女はミルク・カラード

幼い顔立ちだが、これでもちゃんと成人している

亜麻色の髪を後ろでくくっている

くりくりとした丸い瞳がライナをじっと見つめていた

「え〜…あ〜…起きるね」

「うん!」

ライナはポリポリと頭を書きながら身体をベッドから出した

彼らは半年ほど前に結婚したのである

ミルクは幼少の頃からライナを想い続けていた

その想いは見事に実り、現在

彼らは楽しく暮らしていた

「早く行こうよ!」

「お前、もしかしてあまり寝てない?」

「えへへ〜楽しみだったの」

ぐいぐいとライナの手をひっぱりながら、ミルクは恥ずかしそうに笑った

彼女は昨晩、ライナと出かけることが楽しみで遅くまで寝付けなかったのだ

だが、そんなことは微塵も感じさせず、彼女は元気に笑顔を振りまいている

ライナは心配そうに彼女を見ていたが、はしゃいでいるミルクを見て、大丈夫だと思ったようだ

「まずは、あれ!あれに乗ろう!」

ミルクはある場所を指差した

それはジェットコースター…絶叫系である

「うぁ…いきなりそうくる?いや、まぁいいけどさ」

「ホントっ?じゃ急ごう♪」

タタタッとミルクは駈けていった

ライナも置いていかれまいと彼女のすぐ後を追う

しかし、その最中何だか見知った顔を見た気がした

だが、そんなことは気にしていられないくらいミルクが走るのが早く

ライナは見たこと自体を忘れてしまったのだった

「うわあぁぁぁ!」

「きゃ〜〜〜!」

コースターの一番後ろの席に乗る

どうやらここが一番怖いらしい

ライナは悲鳴をあげながら、ミルクを見た

ミルクは楽しそうに両手をあげてばたばたしていた

彼をそれを見て、一緒に楽しそうに笑った

「楽しかったね〜!」

「久々にはっちゃけたなぁ」

「ライナはいつも寝すぎなんだよっ」

ミルクはぷくっと頬を膨らませた

「ごめんって…」

ライナはすまなそうに彼女の頭をぽんっと叩いた

ミルクはくすぐったそうに顔を緩めた

「あ、やっぱりライナだったね」

するとそこへ、ライナの友人がやってくる

昔からの顔馴染みがやってくる

シオン・アスタール

それが彼の名前

美しく伸びた銀髪に眩しく輝く金の瞳

それが高貴さを漂わせている

事実、彼は社長であり、様々な会社を経営している若きエリートだ

「まためんどくさい奴が来たなぁ」

「邪魔したくなかったんだけど、つい声をかけたくなったんだ」

「何でいるわけ?」

「あれ?俺ここの経営者だよ?」

心底嫌そうなライナをよそに、シオンはそんなことを言いながら爽やかに笑ってみせた

「うへ…そうだったのか」

「すごーい!」

ライナ達は初耳だったようだ

彼らは驚きの表情をした

「たまたま視察に来たら友人の顔が見えたものだからさ」

「いや、まぁ俺は会えて嬉しいけど」

「でも、ごめん、俺悪乗りしちゃってね」

ライナは久々に友人に会えて嬉しかったようだ

嫌よ嫌よも好きのうちとはよく言ったものである

「悪乗り?」

「うん、俺が皆を招待し」

「隊長ぉぉぉぉ!」

シオンの一言に疑問を覚えつついると、後ろから凄い速さで駈けてくる者がいた

「あぁ、そういうことね…」

「フェリスも後から来るってさ」

「そっか、何か懐かしい面子が集まる感じなんだなぁ」

ライナは呆れたようにため息をついたが、シオンが声をかけまくったおかげで、どうやらプチ同窓会みたいになりそうだった

「たまにはいいかもな」

「だろう?俺が今日ここに来なかったらなかったことだよ」

「あ〜はいはい感謝しますよシオン様」

ライナは半ば投げ遣りにシオンに礼を言う

彼はそれを聞きながら楽しそうに笑った

「ルークだぁ!」

「はい隊長、私です」

後ろから凄い速さで駈けてきたのは、白髪の若い男

ルーク・スタッカートだ

彼はミルクと昔からの顔馴染みで、年上であるにも関わらず、彼女に敬意を払っていた

と、言いつつ半分は放っておけない彼女を守りたいと

そのような感情だが

「やはり、お嫁に出したのは私としては…」

「ルーク!私はライナが大好きなんだよ!」

「しかし」

「も〜」

彼は周りからは保父さんだのと呼ばれている

ミルクに関しては心配性なのであった

「でもそんなルークも好きだよ♪」

「た、隊長ぉ…」

ぶわっと目尻に涙を浮かべながらルークは彼女の手を握った

「大袈裟だよ〜」

ミルクは優しくルークの手を握り返した

「お前達仲良いなぁ」

「ライナ、俺達も仲良しだよ?」

「うむ、だんごとは仲良しだ」

ライナはどう声をかけるか決めあぐねていたが、シオンはとりあえず自分達は仲良しアピールをしたいようだった

そこへ、彼らの友人

金髪青目の絶世の美女、フェリス・エリスがやってきた

「相変わらずだんご食べてんのな」

「うむ」

彼らも昔から大の仲良しであった

「特別に一口だけわけてやろう」

ほれ、とフェリスはライナへだんごを差し出した

「珍しいなぁ」

「雨が降るかな?」

ライナとシオンはそれを見て首を傾げたが、彼女に串を投げられたので口を接ぐんだ

その後、キファやクラウ、フロワードなど

しばらく会っていなかった人たちがどんどん集まってきて

大人なのにも関わらず、皆ではっちゃけた

「ライナ、大好き!」

「ありがとな、ミルク」

「うっうっ隊長…」

「親馬鹿だなぁ」

そんな会話をしながら

今どんなことをしているとか話して

昔の話でも盛り上がって

今度は別の場所でわいわい遊ぼうぜと約束して

ライナは今まで生きててよかったなぁと

今すごく自分は幸せだなと、そう思ったのだった




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