朝、起きると枕元にそれは置いてあった
黒髪黒目、いつも眠さとけだるさを身にまとっている、ライナ・リュートはそれを見て顔をしかめる
昨晩はクリスマスイブであった
まさかサンタが自分の元へ来るとは思っていなかった
しかし、だ
このプレゼントは、枕元に置かれたプレゼントは…
「単なる仕事の書類じゃねぇか!クリスマスも仕事かよ!」
そう、あの銀髪金目、極悪非道の王様、シオン・アスタールからのものだったのだ
しかも仕事、山と積まれた書類
ライナはそれを見て頭を抱えた
「あーもう!直談判しに行く!」
しばらく悩んだ後、彼はそう言って立ち上がる
だが部屋の出口に行く前に動きを止める
「本人は目の前だよ♪」
「あぁ、そうですね!」
ライナの親友、もとい悪友のシオンはテーブルに座りコーヒーを飲んでいた
しかもどうやらライナの朝食までおいしく頂いているようである
「お前なぁ…」
「ねぇねぇライナ、クリスマスパーティしない?」
「……」
「何そのジト目」
「枕元にあんなものが置いてありゃ、そりゃこうもなるっての」
シオンは何のこと?と言ったが、顔はにやけていたのでバレバレである
「で、パーティ?」
「うんパーティ」
「いいよ」
ライナはシオンが何か企んでいるようにも感じたが、肯定した
詳しく聞けば、城で開くのだという
と、言っても盛大にではなく、知り合いでだけ
「んで、俺に手伝えって?」
「フェリスもだんごで雇ったよ」
「流石、用意いいな」
シオンはコーヒーを飲み終えると立ち上がった
「知り合いでだけだけど、楽しもう」
「お前が休めるなら、もうそれでいいや…」
ライナもそれに続いていく
彼はこういう日もありかもなぁ、なんて思った
友人と過ごす日何だかんだでいつもの日常
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