空を見上げる
美しい星質が輝いている
「…クラウ」
彼女はベランダへでて、それを見つめる
ふと口から漏れた言葉は、とても大切な人の名前
自分を助けて…守ってくれた人の名前
彼は今、戦場にいる
そこは沢山の人が傷ついて傷ついて傷ついて…
そして彼も苦しんでいる
だけど彼は行くと決めたのだ
そうなるとわかっていて行くと決めたのだ
彼女は止めたかった
行かせたくなかった
優しい彼だから、きっと今も苦しんでいるに違いない
手にかけてしまったのだと傷ついているに違いないから
「どうか、無事で」
彼女は手を組んで願う
自分は遠くから見守ることしかできないけれど
守ってもらってばかりだけれど
同じ空の下で、同じ空を見て
きっとまた会えるから
大好きな彼へ
想いをたくさん込めて
目を閉じると、風が横を通り過ぎて
彼女の気持ちを運んでいった
同じ空の下ノアから見た空は
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